才太郎畑

日々の備忘録にしたい

2024年映画見たよ記録【7月】

 月に1度映画を見るのは習慣になってきたものの、このブログを書くのが億劫であげるのに1ヶ月くらいかかってしまう。もうちょっと筆早く書けるようになりたい。

 

 

『キャビン』(アメリカ/2011)

 確か数年前から友人にオススメされていた作品だったが、近々アマプラから撤退するとの噂を聞いて急いで見た。

 陽キャ大学生集団が山小屋へ行って大変な目に遭うストーリー軸はホラー映画定番だが、この作品の特徴は、デスゲームを運用する機関サイドの様子も描かれること。私はどちらかというと、主人公サイドである大学生より、デスゲーム主催側に感情移入してしまった。ワイシャツとスラックス姿で、軽口たたき合いながら各々仕事に取り込む姿……あまりに社会人。その仕事とはつまりデスゲームの運用なので、軽口や愚痴は不謹慎な内容ばかりだが、自分の職場も業務上倫理観のない話題で盛り上がることがしばしばある(というより、言ってないとやってられない)ので嫌悪感より親近感が湧いた。まあこの仕事早く辞めてえな~~とは思ってるけど。

 謎のデスゲーム主催機関に、まさに神の視点から殺されていく序盤は絶望感がすごいものの、新鮮さがあまりないので少し飽きてもくる。しかし中盤以降からがこの映画の真骨頂。辛うじて生き延びた2名が下の階へ続くエレベーターを発見すると、突然の現代感にSFチックな不気味さを帯びるのだが、そのエレベーターは実は様々な化物を送り出す装置で、化け物が入った無数の小部屋(=キャビンということか?)が映る引きのカットの絶望感がすごい。さらに彼らが逃げ込んだ先は例のデスゲーム会社(もうここをなんと呼んでいいものか分からない……)の内部であり、職員たちに追われた主人公たちは守衛室みたいな小部屋に立てこもり、絶対押しちゃいけない雰囲気の謎のボタンを押す。結果起きた惨状はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。化物たちを送り出すエレベーターの到着ベル、無作為に襲い掛かる化物たちの叫び声、惨殺される人間たちの悲鳴が鳴りやまない。主人公たちはガラスにまき散らされる鮮血でその様子を見ることはできない。このゴリゴリのゴア表現、ホラー映画を見てるな~~!という興奮と、あまりにゴアがしつこくてちょっと気持ち悪くなってくるような感覚もある。ちょっと親近感をもって見ていた運営側のおじさんたちも、コントロールルームで殺されてしまうのだが、お気に入りだった半魚人によってその最期を迎えることになるのはちょっとほっこりした。ほっこりする映画ではないけど。

 何とか切り抜けて主人公たちがたどり着いた最奥は、これまでとは打って変わった古めかしい遺跡のような場所。ここで急に館長みたいな人が出てきて、このデスゲームの開催意義を聞かされることとなる。曰く、古の邪神(?)を鎮めるために血を捧げる儀式なのだと。この儀式を度々繰り返すことで神による世界破滅を免れてきたのだと。これまでもなんとなく触れられてきたが、このようなデスゲームは世界各地で行われており、今回はこのアメリカ以外すべてが失敗に終わっているらしい。ちなみに日本支部は今まで一度も失敗したことがなく、アメリカと成績を競い合っていたらしい。日本のデスゲーム、座敷童みたいなのがいっぱいいて可愛かった。

 主人公たちは、ここで死ねば世界は守られる、死ななくても邪神が復活して世界は滅びる、という究極の2択を突き付けられる。それに対して彼らは世界滅亡を選択し、神の復活を示唆してこの映画は終わる。メリバでもない、完全なバッドエンドで終わることあんの!?!?という気持ちになって驚いたけど、そういえば前に見た『ボーは恐れている』(アメリカ/2023)もだいぶバッドエンドだった。この選択をした理由が「これで滅びるんだったら今がその時なんじゃね?」という消極的な受け入れだったのが現実味あるな、と思った。

 

今月のまとめ

累計視聴数・・・1本

 元々『関心領域』見に行くつもりで累計2本になる予定だったんですが、躊躇している間に上映館がどんどん減ってしまい、近場で見れる映画館がなくなってしまって断念しました。これからは気を付けなければ……。

 来月、といいつつこれを執筆しているのはすでに8月だけど、もしかしたらぼざろの劇場版を見に行くかもしれない。運よく前編からやっている映画館に行けたら、だけど……

2024年7月おでかけの記録—海とカレーと古本の夏―

 この月、予定と偶然が重なって週1で遊びに行っていた。ハッピーだけど体力と懐に大打撃でした。

 

 

7/3 江の島(神奈川県藤沢市

 本来であれば、この日は先々月一緒に名古屋へ行った友達と共に越谷レイクタウンに行っているはずだった。が、諸事情あって当日早朝ドタキャンに。慌てて同行者の友人に連絡し、どうしたものかと二人で困惑していたが、ここ最近の日常の閉塞感から漠然と海が見たい気持ちになっていて、友人も同じような気持ちだったらしくこの後の予定はすんなり決まった。行先は神奈川・江の島。埼玉とは真逆の方向だが、お互い海なし県出身だから海に対しての熱量が違う。

 旅情溢れるモノレールに乗って湘南江の島駅に着いて外へ出ると、昼前からもう茹だるような暑さ。それでも海があると風がぬけるような感じがあって、内陸より幾分かマシな気がする。島に上陸して早々、良い感じに席が空いていたご飯屋さんで魚を食べて昼間から酒を飲んだ。最高!楽しさでいうとなんだかんだここが一番ピークだった。

刺身に煮魚に釜茹でしらす生しらす付き!米進みまくりうますぎ!!

 意図せず来ることになった江の島だったが、最近偶然『廃仏毀釈』(筑摩書房・畑中 章宏著)を読んでいたので、体裁は神社なのに至る所に仏教の雰囲気が残っているのがより楽しめた。ただ仲見世通りから江島神社辺津宮中津宮を巡るまでなんだがずっと上り坂で、さらに呼吸がしづらいほどの高湿度でまあまあしんどかった。若干意識も朦朧としていてなんとなくの記憶しかない。行先表示やのぼりを見てなんとかたどり着いた頂上は、西洋風の温室遺跡が残る庭園やでかい展望台があって、少し現代的な雰囲気。名古屋では友人が望んでいた庭園が満足に見られなかったので、そのリベンジを叶えてあげられてよかった。展望台は登らなかったけど、名物・タコ丸ごとプレスする煎餅を食べた。思ったより量があり(1人前が2枚だった)味も濃くて、終盤は無感情になって食べた。あと店員さんが塩対応だった。

 しばらく休んだ後、江の島岩屋へ。島の端にあるためだいぶ歩くが、道中レトロなお土産屋さんやおしゃれなカフェなどが並んでいて全く飽きずに踏破できた。しかし最後の宮・奥津宮へ入る道はアップダウンが激しく、日々の運動不足を呪ったが、階段を上りきった先に思いがけず海岸線が見えてテンション爆上げ。映画のワンシーンかのような眺望だった。

一言で表すとするならば「エモい」。お店の看板の雰囲気も良い

 一気に疲れが吹っ飛んで階段を駆け下りると、そこは岩場に波が押し寄せる景勝地・稚児ヶ淵。波打ち際まで降りていけるようだったので、満足のいくまで波の割れる音を聞いたり、水面を眺めたり、写真を撮ったりした。この日は平日で混雑もあまりなかったので、自然の雄大さを存分に浴びることができた。当初の目的である「海を見る」が、思っていたよりも素敵な形で達成できて幸せだった。しばらくはこの海を見た、という感動でやっていけそう。

格安スマホでも、こんなにも叙情的な写真が撮れる。

 稚児ヶ淵の横に架かる赤い橋を渡ると岩屋の入り口に繋がっている。内部は電気を通してあって明るい道もあったが、暗い所では手持ち蠟燭の無料貸出サービスをしていて、行灯のようにして歩けるのが楽しかった。このサービス、混雑する休日でも行っているのだろうか。だったらすごい。この岩屋は江の島信仰の発祥の地らしく、様々な種類の石仏が多く置かれていて独自性のある宗教観も面白い。

岩屋の穴から稚児ヶ淵を覗く。天国みたいな景色だな。

 岩屋を回った後は、来た道を戻る。暑さと体力不足が祟ってここが今回一番の疲れのピーク。座席が空いてそうな店で休憩しようとサイダーを買ったが、テイクアウト専用商品だったらしく塩対応で断られてしまった。分かりづらいとはいえ表示を見ていなかったこちらに落ち度はあるが、こう疲れていると普段以上に塩対応が刺さる。というか、江の島塩対応店員多くないか。日本有数の観光地で混雑しすぎて、店員さんもすさんでいくのだろうか。他のお店を探そうにも、下手にサイダー買ってしまったので入りにくい。友人は食が細いくせに私よりも体力があって休憩いらなそうだったし。

 結果、行きにスルーしていた「江ノ島大師」というお寺のベンチをお借りし仕事の愚痴などをしばらくだべっていた。この寺、妙にスピっぽい雰囲気があるせいか、我々以外誰もいなくて若干怖かった。本堂は大きく参拝も見学もウェルカムな様子で、本尊の不動明王像も大きく威厳があって素敵だったけど。葬儀会社に就職している友人が、寺を完全に取引先の目線で見ていて面白かった。

 駅までの帰り、仲見世通りでお土産を探したが意外と目ぼしいものが見当たらず、岩屋への道中で見つけた羊羹を買っておけばよかったと後悔した。良かったこととあまり良くなかったことがだいたい半々くらいだったこの江ノ島、人生なんてそんなものなのだと感じさせる旅だった……のかもしれない。

 

7/13 半蔵門ミュージアム「音を観る ―変化観音と観音変化身―」(東京都千代田区

自作アクキーとポスター2ショ

 GWにフライヤーを見かけて以来絶対行くと決めていた展示。この間のコミティアで出した本が菩薩についてまとめた解説&イラスト本だったので、観音で一展示特集組むなんてそんな願ったり叶ったりすぎて。同じくコミティアのときにつくったアクキー持ってって看板の前で撮ったりしてはしゃいでいたが、館内は落ち着いた内装でムードがあって、静謐な場所でした(もちろん元々館内でははしゃぐ気はないですが……)。常設展に混じるように観音像や仏画が点在しているような構成。基本館(というか運営元というか)で所有している文化財の展示だからか、それぞれの展示がより丁寧というか、各々の文化財に愛情ををなんとなく感じた気がした。その上午前中で人が少なかったからか、スタッフさんがみんな親切で素敵。展示数も多くはなくそんなに大きな館ではないけど、如意輪観音座像は惚れるような綺麗さだったし、建物も綺麗だし、上の階にミニシアターあるし、ミニシアターで仏教や仏像についての解説映画も無料で見れるしめちゃくちゃ充実していた。こんなに充実していて入館料無料!チケット売り場がなくてちょっとまごつくレベル。また、シアターとは別で講演を行っているような広間があって、そこで今回の展示の見どころ解説動画がリピート再生されていた。ちょっと見てみたら、観音菩薩の変化身の一つとしての「梵王身」という仏像を「当館では梵くんとして売り出すことにしました」とハッキリ言っていて笑ってしまった。つられて梵くんグッズ買ってしまった。元々梵天という尊格は好きなので……。

 蔵書室も覗かせていただいたりして(普通に出入り自由だったっぽいが、あまりに人がいなすぎてスタッフさんに案内していただいた)、本当に大満足だった。のだが、その日の帰りに軽い気持ちでツイートしたらまさかの館長ご本人に捕捉され、リプをいただいてしまった……関係各所に大っぴらに出きるわけもない創作を行っている自覚はあるので、普段は人一倍検索避けを気にする方だったのに、一生の不覚。展示に行ったときとかは、後日こうやってまとめたりする時に参考にするため感想ツイートを打ったりすることはあるが、館名を書いて関係者に引っかかったことは一度もなかった。おそらく見てはいるんだろうが、数多い感想のうちの一つだろうから特段先方の気に留まることがあるとも思えなかった。今回は私の書き方が悪く、最近出したティアでの新刊に触れて感想を述べてしまったものだから、館長は文章の意図が分からず質問を投げていたようだった。脳フル回転させて悩んだ結果、真摯に質問に答え謝ることを決めた。

 上記のように説明リプを返した後、ずっと生きた心地がしなかったが、館長側はガチで文章が意味不明だったための質問であったようで、すんなり納得いただき事件は終息した。不安になって館長の他のツイートを確認したが、わりとフランクに人に話しかけている方だったようだ。専門書書いているようなすごい人もめっちゃ普通にTwitter運用するんだな……そして、こうやって舌禍って生まれるんだ……と身を持って思い知ったので、今後はもうちょっと文章の推敲と検索避けを気にして生きていこうと思います。すいませんでした本当に。

 

7/13 神保町(東京都千代田区

 半蔵門ミュージアムの後、かねてより神保町の有名なカレーが食べたいという野望を叶えるため、神保町へ行くことに。同行いただいた先輩、ありがとうございました。前日までにいろいろ調べていて、その中から今回訪れたのは「エチオピア 本店」。狭めの店内だったし列もできていたし雰囲気ありすぎて、同行者がいなければビビッて引き返していたところだったが、頑張って並んでよかった。

カレーの他、付け合わせ?にふかしたジャガイモもついてくる。嬉しい。

 神保町って喫茶店系・欧風系カレーのイメージもあるが、ここはインドカレー系。しかしここのカレーは使っているスパイスへのこだわりがすごい。らしい。漢方に使われるような素材もたくさん使われているようで、ヘルシーで身体に良い、まさに薬膳。溶け込んだ素材の多さを感じさせるような、奥深く独特な味が病みつきになる。ラーメンにハマる人の気持ちが分かる気がする。実際、今だにあの味をたまに思いだして無性に食べたくなることがある。手軽に食べにいけるような距離ではないが、秋葉原にも支店があるようだったので、食べたくて食べたくて死にそうになったら行ってみよう。本店よりフランクな印象な店舗で入りやすそうだったし……。ちなみに辛さは70段階から選べるらしいが、ビビッて頼んだ0辛でも普通の中辛くらいはある。ダルカレーは3辛かららしい。気になるけど自分が耐えられるかわからなくて怖い。

 神保町に来たからにはもちろん、古本も見た。いろいろ覗いたけれど、とある店舗で急に決意固まって1万円の辞書を買った。岩波書店刊行の『仏教辞典』。仏教用語が網羅された分厚い紙の辞書。ちょうど半蔵門ミュージアムの蔵書室で最近(2023年)に20年ぶりの改訂版が出ていたことを知り、定価も確認していた本だった。大学とかでこの分野を学んだ経験もなく、基礎知識が全くないズブの素人が今後も活動続けるならば欲しい一冊ではあり、以前から気になっていた上、この古書店では定価より500円くらい安かったのが決め手になった。安くなってたけど使用感はほぼない、というかガチの新刊だった可能性もある。急に1万円の本買ったから同行者ウケてた。喜んでいただけて何よりです。ちなみに購入させていただいた店舗は仏教を始めとした宗教学に強い古書店で、今度同人誌で取り扱いたいな~~と思ってた分野ドンピシャの学術書もあってビビった。さすが専門書店。値段同じくらいだったので諦めたけど、存在を知ってしまうと気になっちゃうよね。

 

7/17 越谷レイクタウン

 本当は7/3に行く予定だった用事がこの日にリスケになりました。いわゆるファッション診断?というらしい、骨格やパーソナルカラーや顔タイプといった、自分に似合うファッションの基準をプロが診断してくれるプライベートサロンの予約でした。

www.anotheraddress.jp  いわゆるこういうやつ

 レイクタウンのそばにあるこのサロンに、友人が大学時代に行ったことがあるらしく、先々月名古屋旅行をした際の世間話の中で「私もついていくから!」と激推しされて行ってみることにした。1つの診断に1万円くらいかかるので、そんな気軽に決断できるものでもなかったが、友人含む周囲の人間に診断に行っている人も何人かいて、以前より気になっていた。今後の服の選択とか迷わなくて済む利便性を考えて、3万円以上するけど骨格・パーソナルカラー・顔タイプ診断の全部乗せプランに申し込んだ。

 私は今まで骨格ウェーブ・イエベ春・顔タイプは分からん!と思って生きてきたが、結論からいうと骨格ストレート・イエベ秋・顔タイプキュートでした。なんか全然違うんだけど!?自己診断はわりと難しく、プロに見てもらうと自分の認識と違うことも多いとは聞いていたものの驚いた。診断の説明を聞きながら、意外に思う気持ちと、そういえば確かに……という納得を交互に感じていた。これを受けた後、レイクタウンに行って服やコスメを探してみると、世界が変わって見えて感動した。まあまあ高いけど、受けてみる価値のある診断だったなと思う。友人ありがとう。ちなみにレイクタウンはビビるほど広かった。

 

7/24 川崎大師(神奈川県川崎市

 なぜかちょくちょく私と遊びたがる職場の先輩と。以前より横須賀とかシーパラとか行ったことのある先輩だが、度々遊びに行ったせいでその後もちょくちょく誘われるようになってしまった。今回は川崎大師へ。毎回放送を楽しみにしている有吉の壁で仲見世通りがロケ地で使われていたことがあり、気になっていた。ちょうど風鈴祭りという、風鈴の展示販売を行う夏祭りが開かれると聞き、浴衣を着て行ってみることにした。大学時代、落語研究会に所属していたのでなんとか一通り着付けは自分でできる。2つ上の先輩が卒業する時に浴衣を譲ってもらったことがあるが、夏祭りに行くような性格でもないので、着る機会が一度も訪れず数年が経ってしまっていた。そのためこれは良い機会だと思って、猛暑を押して無理矢理着ていった。とにかく暑かったけれど、数年来の目標達成。先輩の浴衣を着てあげることができてよかった。

川崎大師駅前の木彫りのけいきゅん(京急線のマスコットキャラクター)。
大師線京急線最初の路線らしい。

 川崎大師の夏祭りはこの日が最終日だったからか平日だったからか、出店も少なくざっと見回れてしまった。デカい寺を見れてテンション上がったしそれはそれでよかったものの、この後どうするか本当に迷った。とりあえず川崎駅に戻ることにしたが、他に遊ぶところが全然ない。繫華街なので飲み屋とかそういうお店ばっかりで観光スポットみたいな場所があまりない。その上川崎駅周辺はわりと頻繫にくるので、ショッピングモールとかも既に行ったことがある。そういえば元々、映画「関心領域」を見たくて今回時間を取ったはずだったのだが、決断が遅すぎて川崎全ての映画館で上映終了してしまっていた。先輩を案内してラゾーナ川崎とか行ってみたものの、あまり盛り上がらず。

そんなことを言いつつも、アトレ川崎に入っている「フタバフルーツパーラー」へ
行ってました。めちゃうまかった。

 この先輩と何度か出かけてみて、そして今回出かけてみてこう……あまり気が合わないな~~と感じている。交友関係が狭いので誘ってもらえること自体は嬉しいけれど、プライベートで話してみると小さいところで違和感を覚えるところが細々とある。優しいので行きたい場所とか合わせていただいているのだが、他の友人らと出かけるときより何故か楽しくない。せっかく遊んでくれているのに失礼だよな、でも楽しくないんだよなと悶々として、友人に相談してみたら「それもうシンプルに気が合わないんだよ」と言われて目が覚めたような感覚になった。人間関係って難しい。仕事終わりに飯を食いにいくのは嫌とは思わないので、人によって適切な距離がそれぞれあるということなのだろう。この間も誘われたりしたけど、ちょっと時間を置いて少し考えてみようと思う。

 ちなみにこの先輩、事あるごとにアニメ「シュタインズ・ゲート」を布教してくるのがちょっと鬱陶しく感じている。元々好みのジャンルか?といわれればそうではないし……。この前もアマプラで見れるから見て!と言われ、断り切れずにお盆期間中に見ると答えてしまったのだが、調べてみたら別途有料チャンネル登録(初回30日間無料)が必要だと分かり面倒くさくなってしまって今ぼっちざろっく!見ている。ぼざろ面白いです。

 

今月のまとめ

 楽しかったけど今月遊びすぎ。ボーナス支給があったとはいえ安月給の雑魚社畜なので、経済的な面でも少し節制しなければ……。今のところ8月西美、9月しな水に行く予定が立ってしまって、10月末も以前より山梨に行く話も出ているので、なんとか生活を維持しながら生きていきたいです。

『新しい世界を生きるための14のSF』を読んだ

判名練 編『新しい世界を生きるための14のSF』早川書房

 図書館で偶然見つけた1冊。最近小説読んでなかったな、と思い借りてみたらこれが面白いのなんの。中高の頃はいわゆる本の虫だったが、最近バズっている本のタイトル通り、現在はスマホだとかゲームだとかテレビだとか、いろいろ他のことに時間を割いてしまってわざわざ本を読むことが少なくなってしまった。それに危機感を覚えて、最近はなるべく本を持ち歩いて外出するようにしているが、それでも新書とか学術書系が多くてジャンルが限られている。大学生以来、レポートや卒論のため、今は同人誌の原稿のために知識を手に入れる目的で本を読むことはあれど(これらももちろん面白いけど)、小説はさっぱりだった。

 中学生・高校生の頃、人生で一番本を読んでいた頃は純粋に本を読むのが好きで、暇な時は商品の成分表示に目を追ってしまうくらい活字中毒だと思っていた。実際は当時クラスに馴染めず孤立していたので、読書は一人で暇をつぶせる手段として学校生活の上で都合が良かっただけだ。まあ当時孤立だけで済むはずはなく、陰口や嫌がらせも度々あったし、私物が無くなったことも何回かあって今思えばそこそこギリギリな精神状態だった。しかしギリギリのところで不登校等にならず支えてくれていたのが本であり、物語の世界だった。良い物語に触れることは心の栄養になるってこと、本書は久々にそれを思い出させてくれた素敵な本だった。

 SFというジャンルに詳しくはないが、多分知らずのうちに触れてきていると思うし、多分好きだ。エヴァとか好きだし。そう思って手に取った本書は14の短編アンソロジー。文庫にしてはかなり分厚かったが、初心者向けで読みやすい(実際に図書館では青少年向けの棚に並んでいた)。読み始めて驚いたのは、一口にSFといっても、その中で様々な分野に分かれていて、かなり幅広いジャンルに分かれていること。SFは世に溢れているんだなあ。その中でも特に心に残った作品の感想を以下に述べたい。一作を除いてできるだけネタバレしないように書いているので、もしこれを読んだ人がいたらぜひ読んで。

 

『回樹』斜線堂有紀

 これがSF百合か!!なぜかSFと百合が相性が良いと巷で流行っているとの噂を聞いていたSF百合、実在したのか……(もちろん、存在は知っていたが実際に読んだことが今までなかった)時間経過で変化していく、二人の微妙で繊細な関係性が巧みな筆致で描かれている。いうなら米津玄師の「メランコリーキッチン」に近いような雰囲気。こうもするすると抵抗感なく読めて、的確に伝わる文章が書けるのすごいなあ、さすがプロ。

 タイトルの「回樹」は、突如現れた、死体を吸収し自身に愛情を転換させる謎の物体。オカルト?ホラー?な雰囲気あるな、と思ったけれど、これもSFなのか、これがSFなのか。現実世界では到底あり得ない現象を、いかに説得力を持たせてリアリティのある世界観に落とし込むかがSFの面白さなのだと気づいた一作。

『もしもぼくらが生まれていたら』宮西健礼

 科学コンテストに挑む高校生三人組の青春ものかと思ったら、読み進めていくうちにじわじわと覚える違和感、この正体が中盤で理解でき、以降付随するうすら寒さ、そしてラストの一言に唸る最高の構成。日本で生まれ育って、日本の歴史教育を受けている者なら分かるので、もうこの後の文章を読まず何も聞かず、一切のネタバレを踏まずにすぐ読んでほしい。そしてファーストインプレッションでこの物語を感じてほしい。

 隕石衝突という未曾有の大災害が迫る中、リアリティのある対策がどんどん提示され展開していく、他作品と比べても極めて現実的な、地に足のついたザ・SFな雰囲気の作品……なのだが、とある科学技術の一点のみが決定的に現実と異なる、IFの世界が描かれている。「強力な爆弾」——つまり原子爆弾、この作品は原子爆弾の開発・投下が行われなかった世界を描いている。この構成のうまさに舌を巻きつつ、頭を抱える思いだった。なんだって~~!?こんなの面白すぎるだろ。のめり込んで読み進めると、作中で考えられている原爆利用における様々な懸念点は、我々の生きるこの世界の現在や未来を指していることに気づき、苦虫を嚙み潰したような顔をしてしまう。高校生たちの、利権に囚われない真っ当な意見に、我々人類は既に選択を間違えたんだなと思い知らされる。結局、作中では核開発を回避して小惑星衝突の被害を抑える方法が発見され、一抹の不安を残しつつもハッピーエンドに。……とはならず、最後の一節は急すぎて少しまごつくほどのメッセージの強い独白になる。そして最後の一文はこれだ。

誰も、何も核に奪われたくないからだ。トモカを。タクヤを。ぼくらの生まれ育った街――ヒロシマを。

 これ以外正解はないだろうという文。最後の最後で、この作品は「原爆が投下されなかったIFの世界のヒロシマ」を舞台に描かれていたことが分かるのだ。短編ながら読み応えのある作品で、あとまあ個人的に興味のある分野がテーマだったのもあって、本書の作品の中でも特に好きな作品だった。

 読んでる途中はなんとなく流していたが、途中で登場する「産業奨励館」、もしかしなくても原爆ドームだな……??勘のいい人(とおそらく地元の人も)はちゃんとすぐ気づいたのかもしれない。

『九月某日の誓い』芦沢央

 戦前の世界観と名家の不穏な空気感が魅力的な和風ダークファンタジー……と思いきやSF。いや、元素と超能力がテーマなので間違っていない。操様のキャラも濃いし、超能力者が軍部に複数名いると作中で触れられていて、もっとこの世界の物語の続きが読みたくなった。コミカライズとかアニメ化とかしてほしい。短編でこんなに奥行きを感じさせるのすごい。やっぱ小説がうまい人はすごい。未来への不穏な気配を孕みつつも、主人公たちの行く先にどこか希望も感じさせる終わり方がよかった。

『大江戸しんぐらりてい』夜来風音

 なんなんだこれは……面白すぎる……と唸った作品。国文学SFとでも言えばいいのか??江戸時代に大規模な演算機構(?)が爆誕する歴史改変ものだが、史実の調理がうまくてのめり込んじゃう。関孝和とか渋川春海とかの天才数学者を主軸に置きながら、もう一方の主要人物である国学者の契沖がもたらす『万葉集』、特に柿本人麻呂の歌がかなり重要なキーワードになっている。理系と文系の異分野同士が相互に作用しあっていて、新鮮でワクワクする。終盤は追われる立場となった主人公たちのスピード感のある展開が面白い。本作の主題である「算術長屋」がどこで、というかどういう人たちで構成されているかが分かった時なるほど~~!ずるいわ面白~~!!になった。読み応えあって、人に勧めたくなる作品。

『ショッピング・エクスプロージョン』天沢時生

 これはド○キ。どうあがいても○ンキです。架空の激ヤバディスカウントショップ「サンチョ・パンサ」が世の中を埋め尽くすディストピア世界で、笑いあり!涙あり!友情あり!の冒険譚が描かれるサイバーパンク作品。最高にクールでイカれたバディもの。たくさんの要素がごちゃごちゃにつまったカオス、それがイカしてて面白いって、そういうところが既に○ンキ的なのかもしれない。例の店内ソングの歌詞が作中2度も登場するので(もちろん歌詞を絶妙にもじっているが)、読了後しばらくはあの歌が耳について離れなくなる。ぱっと見コミカルな印象が強いが、ストーリー自体は熱くてかっこよくてワクワクする冒険ものなのでシンプルに物語としての強度が高い。大団円で終わるので読了感もめっちゃいい。個人的には「実はアパレル出身のセロニアスが、うっかり昔のクセで『おつかれっす!』と言う」(P524)というストーリー展開に全く関係のない文章の差し込み方のセンスが好き。

『青い瞳がきこえるうちは』佐伯真洋

 VR技術がめちゃくちゃ発展している近未来の、全盲の卓球プレイヤーを主人公にした熱いスポーツもの。物語のキーマンとなる双子の兄や、父との家族の関係性も描かれていて、深さも暖かさも面白さも満点な作品。卓球の描写もさることながら、主人公が初めて視覚を共有した際の未知の感覚の描写がうますぎた。何食ったらこんな表現力が身につくんだ。この作品にはニカという自閉症の選手も登場するが、いわゆる障碍者の描写が真摯だなと思った。

 

 文章自体にギミックがある『点対』(murashit)とか、宇宙旅行の様子がザ・SFな『あなたの空が見たくて』(高橋文樹)とかもめちゃくちゃ面白かったです。今後もいろいろなSF読んでみたいな。

2024年映画見たよ記録【6月】

 

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』(2019/日本)

 子ども向けとは思えないシリアス路線、との前評判は聞いていたが、実際に見てみたところそれほどでも……??確かにミュウツーの生い立ちや立場は複雑だし、同じポケモン同士で争いあう展開は残酷といえば残酷だけど、倫理道徳を考えさせられる点において情操教育に良さそう。まあ見たのは近年のリメイク版なのでマイルドになっている表現はあるかも。

 リメイク板は『名探偵ピカチュウ』(2019/イギリス)的な3Dグラフィックだったわけだが、3Dの高解像度でぬるぬる動くポケモンたちがもうとにかく可愛すぎる。毛並みのモフモフ感とかとにかくすごい。急に「ピチクリィィィィィ!!!」て叫ぶトゲピーも、トレーナーを心配そうに見つめてるプクリンも、短え腕でビンタかますピカチュウも、何が起こっても自我を保っているコダックも、とにかくかわいい。癒し。

 要所要所はまとまっているものの、全体的にスピード飛ばし気味なストーリー進行だったと思うが、最後の、クローンポケモンたちが天に登っていくシーンは不覚にも泣いちゃった。なんで泣いちゃったかは自分でもよくわからないけれども……とにかくかわいいポケモンたちが救われたのが嬉しかったのかもしれない。

 

今月のまとめ

累計視聴数・・・1本

 

 忙しかった5月が過ぎ比較的落ち着いた6月だったが、何故かまた精神的に不安定で何もやる気が出なかった。何なら生きている意味すら見失っていた。

 来月はいろんな理由で見るのをためらっていた『関心領域』を見に行けそうな方向で予定が決まってきている……いやビビッて直前で違う映画に変えちゃうかもしれないけど、覚悟が決まれば関心領域デビューします。

2024年5月おでかけの記録—法然と今再びの名古屋—

 5月は好きです。理由はシンプルに誕生月だから。しかし今年の5月は月末に人生初の同人誌即売会コミティアへの参加を控えて原稿の大詰めを迎えており、仕事でもまだ2年目なのに新卒の研修を付きっきりでやらされるはめになったりでストレスがマッハ。その中予定が重なりけっこう遊びにも行けました。充実はしていたけれど体力的にはきつかった。

 

 

5/4 東京国立博物館「特別展 法然と極楽浄土」(東京都・台東区

来迎図など仏教絵画系の展示が多くて渋くて良かったです。極楽YEAH!

 日頃より懇意にしていてよく遊びに行く先輩と。この先輩とはもう何度トーハクに行ったか分からない。ありがたい限り。

 今年のGWは前述した通り原稿を進めるのが最優先事項だったのだが、一日も出かけないのは悲しいし、さらに職場での世間話のネタにも困ることになるためこの日だけ遊びに出かけた。ちょうど原稿が仏教についてだったので気になっていたテーマだったし、ネットで見かけた風呂桶のグッズが気になっていたので良い機会だった。トーハクはさすが国立博物館というべきか、いつ行っても活気があって、だれかが喋っていてざわざわしている雰囲気がある。だから私も同行者と展示物についてあれこれ感想を共有しながら展示を見るのが好きなのだが、この日はGWということもあってかいつも以上に人が多かった。人がごった返して見るのが大変、ということはなかったが(展示テーマが地味に渋いラインなのもあるかもしれない)、私と先輩が直感で感想を呟き合っていると、品の良いマダムやおじさんに話しかけられることが多々あった。特別いつもと違う言動をしていたわけではないのに、そういうのがいつもより多くてまあまあ困惑していた。急に話しかけられると焦るから苦手な方ではあるし。

このグッズデザインが良くて……と思っていたら先輩がそのデザインのシールくれてhappy

 一番顕著だったのは、特別展ではなく常設展の期間限定展示の「令和六年新指定国宝・重要文化財」の展示室でのこと。ちょうど会期が合い国宝に制定された地蔵菩薩像と准胝観音像が見れるということで、実は今回法然展より楽しみにしていたのがこちらだった。熱量高めに准胝観音像を見ていたら、我々より先に展示の前に佇んでいたおじさんが不意に振り返り話しかけられ(何を言っていたかはよくわからなかった)、埴輪の展示の前で「なんか……グリム童話に出てきそうな……」と私が呟いたら横にいたおじさんが綺麗に噴き出していた。脳直で喋ってごめんって……

 この後、ずっと気になっていたあんみつ専門店の「みはし」へ。誕生日が近かったこともあり(5/5)自分へのご褒美も含めであったが、これがまあうまい。しつこくない上品な甘み。幸せの塊。そんなあんみつのうまさ以上に、店内で出される茶があまりにうますぎて驚いた。茶単体でも声が出るくらいうまいのに、あんみつの甘さとのマッチ度が半端ない。店員さんがテーブルを周って注ぎにきてくれるので、二人して何杯かおかわりしてしまった。GW明けにGW何した?の話をしょっちゅう振られたので、全部このときの話をした。みはしの茶がうますぎる話。

クリーム白玉あんみつ。白玉ももっちもちでおいしすぎる。

 

5/18~5/19 名古屋遠征

 去年11月以来、累計3回目の名古屋。こんなに名古屋を訪れることになろうとは。今回の一泊二日旅行は、数年前からファンやってる芸人の単独ライブへの参加が主目的だった。

 年1回のこの単独ツアーに毎年参加しているが、去年は一緒に行く予定だった奴にドタキャンされ、前日に急遽大学時代の友人(彼女はウエストランドのファン)を誘ってなんとか空席を出さずに済んだ。今年は、なんとその友人から誘われて行くことになった。こんな形で身近にファンが増えることがあるんだね。当初は例年通り東京の会場に行くつもりだったのだが、年末の某大会の敗者復活戦でかけたネタがネットで鬼バズリしたからか、今年は東・名・阪・札・福の主要都市開催だったから(例年の開催地は東・札に加え長崎や岐阜など)か、抽選制が導入された結果落選。幸いにも追加公演が決まり、当選したのが名古屋だった。

5/18 ジブリパーク、愛・地球博記念公園(愛知県・長久手市

 一番の目的はライブ参戦とはいえ、せっかく遠方に行くので観光も楽しみにしていた。深夜バスで名古屋駅に到着したあと、再び電車とリニアモーターカーを乗り継いで、最近話題のジブリパークへ。ずっと名古屋だと思っていたが、名古屋ではなかった(長久手市)。そしてこれも現地に行くまでずっと勘違いしていたのだが、ジブリパークというテーマパークが敷地内に広がっているのではなく、愛知万博の跡地である「愛・地球博記念公園」の広大な敷地の中にジブリパークの各エリアが点在しており、とにかく移動が多い(無料の周回バスはあるけど)。しかし、一番高いチケットを買わないと見れないスポットが各所にあり(サツキとメイの家とか、ハウルの動く城とかの建物内部)、好きだけどそこまで思い入れが深いわけではない、そして写真撮影にそんな命かけてない(これもまた勘違いをしていて、ジブリパークはアトラクションというより撮影スポットの雰囲気が強く、写真を撮るために人が並ぶような状況だったのでスルーしてしまう場所も多かった)我々は、思いの外そこまで時間をかけず回れてしまった。行く前はケツが決まってるのでスケジュールちゃんと考えないと見切れないぞ……!と不安だったのに、むしろちょっと時間余って手持ち無沙汰だったくらい。

 最近新設された魔女の谷エリアや大倉庫の、モノがギュッと詰まった世界観溢れる光景はとてもワクワクしたが、それ以外にけっこう楽しかったのが元からある公園の部分。当日は晴天で、炎天下の屋外散策は夜行バス明けの身体にはだいぶ堪えたが、どんどこ森に向かう途中の林道や敷地内にあった日本庭園は比較的涼しく、緑豊かな景観が綺麗だった。ジブリパーク自体が元々の公園の敷地や森に共生するようにできているので素敵。同行した友人、昔はそういうのにあまり興味なさそうだったし、なんなら不摂生な生活が原因で大学在学中に2回くらい入院しているくらいの不健康な人間だったのが、就職して社畜になった結果、癒しを求めて自然が好きになり、体力も私よりあってかなり健康的でアグレッシブになっていた。環境は人を変えるんだなと実感。

愛・地球博記念公園敷地内の日本庭園入口。予想外に最高すぎてでっかい声出た
5/18 「たろう7」今池ガスホール(愛知県・名古屋市

 ジブリパークでまさかの時間潰しの時間を過ごし、ボチボチ行くか~~で向かった今池。最大の目的である単独ライブの開催地である。ジブリパーク(愛・地球博記念公園駅)と名古屋駅の間に今池駅があるので、移動も無駄なくうまくスケジュールが組めた……と思っていたけどちょっと早すぎた。しかしこの時夜行バス移動で睡眠不足+一日炎天下の屋外行動が災いして頭痛&腹痛のグロッキーな状態で、トイレにこもったりもしていたのでちょうどよかったのかもしれない。この日を楽しみに半年くらい生きてきたのに絶不調での参戦になってしまった。体力つけたいと強く思った。

 ネタについては詳しくかけないが、やっぱり生のパワーと狂気と怒声は最高!!(??)今回前から3列目という、舞台からだいぶ近めの席がご用意されてしまったので、汗やつばきが飛び散る様まで見えた。何が起きるかわからないスリリングな感じが生で味わえるのが良い。去年はそこそこのスピードのボールが客席に飛んできていたので、回によっては本当に物理的スリリングなことが起きる。今年は骨折が治りきってなかったのもあってか、あまり暴力はなかった(とはいえ、ネタは全部オーバーキルで人が死にまくっている……)。そこが少し残念だった。あと、腹痛は治ったけど頭痛は治らず、笑うと頭に響いてしんどいけど笑わずにはいられず少し辛かったことも。友人は来年も一緒に来てくれるみたいなので来年も楽しみにしています。今年は隣の席がゲラなおじさんだったのでそれもちょっと楽しかった。

 ライブ後は名古屋に戻ってきて、名古屋ならではの味噌カツを食べたくて有名ローカルチェーン店・矢場とんに入った。名古屋めしはどれも茶色くて味つけもしっかりしていてボリューミーなイメージがある。好き。

だくだくの味噌だれ……写真を見るだけで涎出そう

 

5/19 ディノアドベンチャー名古屋(愛知県・名古屋市

 ここは友人の希望で向かうことになった場所。大学時代4年間友達だったのに、この友人が恐竜が好きだったことを知らなかったので候補地に挙げてきたのは意外だったが、私も幼少期のアーケードゲームムシキングよりも恐竜キング派だったので大賛成。

 昨日は疲れ果ててホテル戻るなり爆睡だったので、名古屋駅からそこそこかかる移動の道中で昨夜のライブの感想を言い合った。この時間がいっちゃん楽しいよね。ソロ活にはない楽しさ。そんな会話に花を咲かせつつも、なぜか車内の乗客の多くが大学生くらいの若者——しかもみんなこぞってラフでカジュアルでストリートな路線の格好をしている――であることに首をかしげていた。日本の人口比率を考えるとあり得ない割合。日曜日だしどこかでイベントでもあるのかな、と気楽に考えていたが、なんとこの若者集団と降車駅が一緒だった。人の波に流されながら目的地に向かいながら、まさかこの全員がディノアドベンチャーへ……?自分の知らない鬼バズリ恐竜コンテンツでもあるのか……??と一瞬頭によぎったが、しばらく一緒に移動していると正体が分かった。ディノアドベンチャーもある広い公園・大高緑地でフェスが開催されていたようだ。途中で道を分かれたら人っ子一人もいなくなった。

近づくと急にプシューっと音が鳴り動きだす。そんなチープさも味がある

 ディノアドベンチャー名古屋は、エリア内に動く恐竜模型が点在しているのを順路を歩いて鑑賞し楽しむ施設だ。雨が降ったり降らなかったりの天候も重なってか、その時客は我々と男児連れの親子の2組しかいなかった。動く恐竜に驚きつつ、友人と談笑しながらの森林散歩はいいストレス発散になった。一周歩くと終わりなので滞在時間は短めだったが、併設されたお土産屋さんで一緒に恐竜のぬいぐるみを買い、外のベンチで17アイスを食った。お金使うのにあまり悩まなくなって社会人になったなと感じた。

ピノサウルスらしい。かわいい。友人のはアンキロサウルス。かわいい。
5/19 大須商店街大須観音

 左京山から栄方面に戻り、友人の希望で「久屋大通庭園フラリエ」という、色とりどりの花が鑑賞できるらしい西洋庭園へ向かった……のだが、コスプレ撮影イベントが開催されており、色とりどりの衣装を身にまとったレイヤーとかメコたちでごった返していて花を見るなんて到底できない状態だった。どうもイベントに巻き込まれる日だ。

 そのため、早々に次の目的地・大須商店街へ。ここは去年先輩と参加した名古屋仏像ツアーの後に来た場所だったので若干の土地勘はあり、フラリエが潰れてしょげている友人にオススメする形で連れてきた。食べ歩きもあれば古着屋もあったりして賑わっており楽しいところ。その中で、去年先輩に案内してもらったヴィンテージの海外輸入アクセサリーのお店を友人に紹介した。普通のお店じゃ中々目にすることはないデザインのアクセサリーばかりで見てるだけで面白い、唯一無比のお店。ただヴィンテージだけあってそこそこ値が張るのと、店員さんの押しが強くて個人的には正直苦手。友人はそこで母の日のプレゼントのイヤリングを7000円で購入していた。一応私も今年は両親にプレゼントを送っているが、母にあげたのLASHの石鹸だったからな。彼女は本当に偉いと思う。ちなみに友人が会計している間、店の人(恐らく店長)に話しかけられて、「あの子買ったんだね!入ってきたときから真剣に見てたもんね!いや〜良かった!!」と言われたのだが、何??嫌味か??すいませんねお高いアクセサリーに予算を割けない貧民で……

 そしてここまで来たら行かない手はない大須観音(去年以来2度目)にお参りしたところで、ぼちぼち名古屋に戻る。私も友人も次の日仕事で、前回翌日グロッキーになった反省もあり、ちょっと早めに新幹線を使って帰る予定にしていた。指定席にしたのではしゃいで駅弁も買ったけど、意外と疲れていてあまり食欲がなかった。無理やり完食したけど、そんな状態ではあまり美味しく感じなかった。いつか駅弁リベンジします。

 

5/26 東京ビッグサイトコミティア148」(東京都江東区

 人生初!同人誌即売会サークル参加をしてきました。これはこれで備忘録をあげたかったんですが途中まで書いて飽きてしまっている。書けたら書きます。同人活動なので、おでかけという本記事の趣旨からも外れるためここでは詳しく触れません。

 ただティア終了後打ち上げで行った高倉町珈琲のパンケーキが……めちゃめちゃ美味しかった……最近インスタでスフレパンケーキの動画がよく流れてくるので、ふわっふわのパンケーキが食べたいな……という欲望があり今回選出させていただいた。

一番基本形のリコッタパンケーキ。口の中で溶けるような食感で最高

まとめ

 慌ただしかったけど充実してました。いい月だった。次の6月で生きがいを見失い軽い鬱状態になるくらいには。6月は友人たちと予定がうまく合わず、久しぶりに誰ともどこにも行かない月になった。定期的に現実逃避しないとしっかりストレス溜まるのだなという実感を得た。今年は6月編の日記はないです。これ書いてるのもう7月だけど、7月は変な感じで予定が入ったりしたので7月はあります。もっとスピード感を持って文章を書けるようになりたいね。

 主に原稿で切羽詰まっていた5月に、そういえば思ったこと。そんなこの自分の希望が通るのは嬉しいことだし、今回挙げたお出かけに該当案件がある訳ではないのだが、店の選出などを丸投げされるのはちょっと腹立つよね、と思っている。以前今回のような複数人のオフ会に参加した時、どこに集まるかお店を決める話し合いで皆沈黙を貫き、チキンレースになってしまったので、しびれを切らしてちゃんと調べていくつか候補提示したら待ってましたと言わんばかりに皆乗っかってきて釈然としなかった経験がある。時間と場所と人と予算を考えなければいけないし、別にその土地に詳しいわけでもなく店を知っているわけでもないからそこそこ時間かかるし手間なので、人の努力にフリーライドすな!と感じる。この4、5月とかで連チャンでこういう場面に出くわして腹立って疲れた。私が短気すぎるのは多分そうなので、人に怒らずほどほどに自分を宥めていきたい。次は私も一緒にダマ決め込むからさ……

2024年映画見たよ記録【5月】

 5月はプライベートが忙しすぎて、仕事も盛りだくさん(泣)で映画を見る時間があまり取れなかった。残念。でもなんとか1本は見たよ。

 

 

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(2023/日本)

 界隈で大ブームとなった、『ゲ謎』。原作に全く詳しくはないものの、幼少期日曜朝にやっていたアニメ版ゲゲゲの鬼太郎が好きで、小学2年生か3年生の時に誕生日プレゼントで祖母から鬼太郎のおもちゃを貰ったことを覚えている、ぐらいの思い入れはあり気になっていた一作。想像以上に配信開始が早くていいの!?とどぎまぎしてしまった。ゴジマイも配信開始されたし、最近はそんなものなのかもしれない。

 映像全体がうっすらノイズがかかっているような、がさついた質感なのがレトロチックでおどろおどろしい本作の雰囲気にマッチしている。主人公がとある集落の名族をとりまく連続殺人事件に巻き込まれる、『犬神家の一族』を彷彿とさせる物語の導入が描かれるのが前半。そこから謎を探る金田一パート(横溝正史的雰囲気に引っ張られて……)に入ったかと思いきや、ゲゲ郎の(というより幽霊族の)因縁の敵・龍賀一族と狂骨との妖怪バトルアクションものになっていた。全体的に人物が丸っこい絵柄は個人的には好みだった。水木の喋り方も自然で良かった。

 けれど、見終わった感想としてはほ~~ん……こんな感じかあ……といった具合で、周囲の人たちのように熱をあげてハマるような感覚はなかった。あまりに流行ったせいで意識しなくともいろいろ情報が入ってきて、ファーストインプレッションの感動が多少損なわれてしまったせいかもしれない。本作の入りがいわゆる因習村を舞台とするホラーミステリものすぎて、実際はほとんど謎とき要素がなくて面食らったのもあるかもしれない。序盤で『獄門島』とか『犬神家』を想起してしまったばっかりに、じっくり真実(謎の薬「M」の正体)に迫っていくのを期待してしまって消化不良になっている感覚がある。

 実は、SNSでの評判以外に本作が気になっていた理由があり、それはこの映画を植民地主義批判の物語として捉えた感想が興味深かったからだった。といいつつネタバレは避けたかったので、Twitter(X)のTLで当該のブログが流れてきたタイミングでブックマークに入れて、鑑賞した後すぐ読んだ。SNSで主に流れてくる水木・ゲゲ郎の関係性や、アクションシーンや流血描写の印象以上に、本作には反戦的なメッセージを強く感じた。最初は思惑をもって村に入った水木だったが、途中従軍中の理不尽な記憶が繰り返し描かれ、最終的には帝国主義の象徴のような龍賀一族に敵対するという流れがかつての戦争(とそれに付随する国家のシステム)を断罪している。そこまでは鑑賞中に読み取れたが、ゲゲ郎とその妻を筆頭とする幽霊族を帝国主義に搾取された者=植民地出身者・住民ととらえた見方は自分では出てこなかった。いや、幽霊族は被差別民族であり、それも本作の反戦メッセージを構築する重要な要素の一つであることは当然理解できていたはずなのだけれど、植民地という言葉にたどり着かなかった。感想を読んだり今になって思い返してみたりするとなるほどそうだなとすんなり納得できるが、これに関しては自分の至らなさ、勉強不足を痛感した。ネット上の有識者には毎度助かっている。一応、通ってた大学にポスコロ専門の教授いて、必修講義もあったから学んでるはずなんだけどな……

 

今月のまとめ

累計視聴数・・・1本

 

 5月は本当に……本当に忙しくて……プライベートも仕事も……世間の流行をまだ流行っているうちに追えてよかったと思っている。

 弊TLでは、今『関心領域』がにわかに話題になりだしている。予告編で見たとき、気になるけどそれを見た後の自分が何を思うのか怖い、めちゃくちゃ興味あるけど……と思っていた。誰かといっしょに見に行きたい気はするが、この内容はおそらく現実にリンクしすぎるから本当に信頼している人とじゃないと……見るなら一人なのかなあ……。6月は見る映画が特段決まっていないので、人に誘われたりしたら『ウマ娘』とかも可能性あるかも。

2024年4月おでかけの記録 —新宿、TOHOシネマズ、コメダ珈琲―

 もう5月も終わりそうだけど4月の話をします。2023年度は1年分の内容を2回に分けて、半年分を一気に書いたけどこれがまあめんどくさくて大変だったので、今回からは月1更新にしようかなと。とはいえ月1というのもめんどくさくて結局この時期に書いてるんですけど……

 

 4月の終わり頃、Twitter(X)上で親交のあるフォロワーさんらと映画『オッペンハイマー』を見るオフ会をしてきた。映画の内容に関してはこの記事へ。

 

sai-yasai.hatenablog.com

 

 歴史創作という、歴史上の人物をテーマに漫画やイラスト、小説などの創作作品をつくる界隈があり、以前は私も熱心に行っていた。現在は開店休業中といったところで、とはいっても近からずとも遠からずといった分野で創作活動を続けている。今回ご一緒させて頂いたフォロワーさんもこの界隈にいて知り合った方々だ。

 今回の会は、最初はオッピー(オッペンハイマーの実際の愛称。本名が長いのでこの後はこれでいきます)が好きな歴創の同志たちの間で持ちあがった話らしい。私は最初からこの仲間内にいたわけではなく、元々の相互さんを介して末席に加えさせていただく形となった。しかし都合のつかない方も複数名おり、結局参加したのは自分を含め3人。どちらも相互さんで、一人は既に2回ほど会って遊んだことのある方だったので少し安心した。

 ネット上の知り合いってなんとも微妙な関係性だと思う。知人以上友達未満のような。リアルの人間関係から隔絶されているから本音が出やすく、その人のことを深く知っている気になる。でもそれはその人の一面にすぎず、見た目も声も喋り方も知らない。どう挨拶するのが正解なのか、どういうノリでいれば良いのか、その人のことをちょっと知っているが故に気恥ずかしくもあり難しく、人見知りにとってはなんだかんだハードルが高い。一人は既に会ったことがあるから大丈夫としても、もう一人のフォロワーさんは数年前より相互関係でありながら、リプライでのやりとりも数回ほど。正直言って仲良くできるのか不安だった。

 ネット上で見せる人格はかなり本質的な自分であり、どうしても譲れない分野(入れ込んでいる趣味とか)に紐づいていることが多く、妥協できないから、少しの方向性の違いで大きく距離を隔たってしまうことが多いと思う。過去、自分の至らなさもあり関係がこじれて相互ブロックになってしまった人がおり、それが若干のトラウマで関係性を深めるのに慎重になっているのもある。もう何年も前のことできっかけの出来事すらはっきりと覚えていないが、自分の悪いところも相手のわるいところもどちらもあったのだと思う。相互ブロになったのは別界隈だが、実はお互い歴創界隈にもおり、界隈の人間関係も狭いから普通のブロックより気まずさはある。なんなら向こうはフォロワーも多く、ちょいバズくらいなら度々、みたいな規模感なので、新しく始めたSNSで爆弾をくらうこともたま〜にあった。それでも普段思い出すことなんてほとんどないが、5月に参加を申し込んだコミティアサークルカット一覧がこの間公開され、確認してみたらその相互ブロ奴も参加することが分かり、ちょっと心中穏やかでない。

 そんな気持ちで当日を迎え実際にお会いしてみたところ、身構えていたわりにはすんなり会話ができて楽しく会を終えることができた。元々仲良いフォロワーがなんとなく仲介になってくれていた心強さ、その上初めて会うフォロワーが適度に冷静で、人の話をしっかり聞いてくれる大人な人だったのもある。何より、映画鑑賞後に感想をゆっくり語らうためにコメダ珈琲へ入ったが、それもそこそこに話題が界隈の噂話になったのが面白かった。前述した通り界隈が狭いので、誰と誰が仲が悪いだとか、昔やってたこの企画でこんな揉め事があっただとか、知ってる人ばかりの下世話な内輪話は盛り上がる。そういう話を聞いていると、TLのあの人もこの人も思っていたより俗物なんだな、人間なんだなと思えてホッとする。そう感じてしまう自分は相応に性格が悪いと思う。ただこの時、例の相互ブロ奴の話を聞いてもらえて、これまで一人で抱えてきた数年間が多少清算できた気がして嬉しかった。界隈が狭いと角が立つので。

 一しきり喋った後、今度はコミティアで会いましょう、という形で別れた。次の機会があるのは嬉しい。

 

 昔から、人間関係では何度もやらかしを経験してきた。仲の良かったはずの友人に1年ほど無視されたとか、シンプルにいじめられたとか、逆に人を傷つけたことも数多くあったし、というような苦い経験を同級生たちよりも多く積み重ねて大人になったための今この性格がある。一言で言ってしまえば陰キャ、コミュ障である。だから、自分と話してくれる人間がいることにおっかなびっくりになってしまう。これからも失敗を繰り返してしまうのだろうが、少なくともこれ以上友達を減らさないように過去の反省を生かしていきたいと思う。

 社会人になると途端に友達付き合いの機会が少なくなる。気軽さもありながら、やはり寂しさもある。仲の良い先輩が、フォロワーと仲良くなるなら一回あって茶シバいた方が早い、と言っていて本当にそうだなと思った。フォロワーが近隣に住んでいることが前提になってしまうが、会って気が合いそうなら盛り上がるし、合わなそうなら次は誘わなければ良いだけのこと。関東に住んでいるフォロワー、今度ぜひ茶をシバきに行きましょう。